神奈川県建設労働組合連合会

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建設アスベスト京都訴訟「建材メーカーの責任が初めて認められる歴史的な判決」

2016年2月19日

 1月29日京都地裁は、建設アスベスト被害者に対し、国と建材メーカーの責任を認める判決を言い渡しました。国の責任を認めたのは東京、福岡、大阪に続く4度目。建材メーカーの責任が初めて認められる歴史的な判決となりました。

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京都判決は、国の責任について、吹き付け作業者に対しては昭和47年10月1日以降、屋内建設作業者には昭和49年1月1日以降、屋外建設作業についても平成14年1月1日以降、マスクの着用や集塵機付き電動工具の使用、さらにメーカーに警告表示義務を課すことを怠ったと違法性を認め、これまでの判決より救済の範囲を広げました。一人親方・中小事業主は除外されましたが、立法で解決されるべき課題と指摘しています。

さらに、主要なアスベスト建材企業であるエーアンドエーマテリアルやニチアス、ノザワなど9社について、警告表示をせず危険なアスベスト建材を市場に流通させた責任を断罪し、共同不法行為責任を認めました。

裁判所がアスベスト被害に正面から向き合い、建材メーカーが危険性を知りながら自らの利益のために安全であるかのようにアピールして製造販売した企業の加害責任を認めた点、さらにどの建材から曝露したかをすべて立証することが不可能な建設現場の実態を直視し主要な建材メーカーの共同の責任を認めた点で、優れた判決です。
 本判決で、すべての建設アスベスト被害者への補償の枠組みは示されました。これを契機に政治解決の声を大きく上げていきましょう。

なお、原告団は2月10日に大阪高裁に控訴。被告国も2月10日に控訴し、敗訴した企業は、被告ニチアス、被告ケイミュー、被告大建工業、被告新日鉄住金化学が判決と同日に、被告エーアンドエーマテリアル、被告太平洋セメントが週明け2月1日に控訴するなど、全9社が2月3日までに早々と控訴しました。

○賠償責任が認められた建材メーカー9社(※市場シェア10%以上で各原告との関係で責任があると認められた企業)

ニチアス、エーアンドエーマテリアル、太平洋セメント、ケイミュー、新日鉄住金化学、日東紡、ノザワ、大建工業、三菱マテリアル建材

○京都地裁判決が認定したシェア10%以上の建材メーカー(※市場シェア10%であるが、京都原告との関係では取り扱いがないなどの理由で賠償責任を免れた企業)

神島化学工業、日本インシュレーション、ウベボード、昭和電工建材、東洋テックス、積水化学工業、ニチハ、旭硝子、東レACE

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