腰痛は検査で原因が特定できるものと特定できないものの大きく2つに分けられます。原因が特定できない腰痛は非常に多く、よくない姿勢や動作、ストレスなどをきっかけに起こります。
特に建設現場は腰痛が発生しやすい作業環境にあります。日頃から正しい姿勢と動作を意識しましょう。
姿勢で大きく変わる腰への負荷
座位は立位時よりも11.9倍もの負荷がかかり、身体の前屈や、荷物を持つことで腰にかかる負荷量は増えていきます。とはいっても負荷のかかる姿勢を全くとらないわけにはいきません。
そこで心掛けたいのが立位でも座位でも長時間同一姿勢でいること(同じ動作を持続して何回も繰り返すこと)を避けること。最低でも20分に一回は姿勢を変えましょう。
あぐらや足を前方に投げ出した姿勢で座ると、背中が丸くなり重心の位置が腰から離れ、中腰の時と同じように腰に負荷がかかります。自然と背筋が伸び、足裏がしっかりと床につき、膝と股関節の高さが同じになるように座ると負荷を減らせます。
この作業場面は要注意!
腰痛予防の基本ですが、物を持ち上げる時は必ず両足を開いて重心を低く保ち、身体の中心(おへそ)に持上げる物を近づけます。
重いものは一人で運ばず、やむなく一人で運ぶ時は成人男性で体重の40%以下(25㎏未満)、女性は体重の24%以下(20㎏未満)が目安です。高い所にある物を取る際は、物に手が届いたときに膝が少し曲がるくらいの余裕のある位置で取りましょう。
原因の病気が特定できる腰痛の場合には原因の治療が必要です。脚の痛みやしびれを伴う場合や安静にしていても腰が痛いなどの症状がある場合は早めに整形外科を受診しましょう。