神奈川県建設労働組合連合会

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「呼吸器の症状 アスベストが原因かも」藤田ゆかり保健師のけんこうコーナー

2022年2月3日

 建設国保では粉じんやアスベストが原因で起こる肺の病気を発見する目的で、指定医療機関で胸部レントゲン検査を受けた組合員の方を対象に、職業病の専門医が職業病の観点から再度胸部レントゲンを読影しています(再読影)。

 この再読影のなかで毎年何らかの所見がある方は5~8%で、最も指摘が多いのが胸膜肥厚斑です。これは胸腔の内側を覆う胸膜がアスベストの影響で部分的に厚くなった良性の変化です。

 胸膜肥厚斑は職業性の肺疾患に詳しい医師でないと見落とされることが多いのですが、過去のアスベスト暴露の証拠となる重要な所見です。良性の変化なので受診の必要はありませんが、毎年の健康診断の継続が大切です。

アスベストとの関連見逃されないように

 アスベストとの関連が明らかな労災疾病として悪性中皮腫、肺がん、びまん性胸膜肥厚、石綿肺、良性石綿胸水の5つの病気が認められています。

 これらの病気はアスベストの暴露を受けて20~40年を経て発病します。暴露から発病までの経過が長いためにアスベストが原因ということが見逃され、医師がアスベストとの関連を疑わないために異なる病名で診断を受けることもあります。

 呼吸器の症状が気になる時にはまず職業病の専門医を受診しましょう。

 正しい診断を受けることで適切な治療を受けられるだけでなく、労災やアスベスト給付金制度の申請が可能かどうかも診てもらうことができます。

保健師に気軽にご相談を

 現在建設国保では2名の職業病の専門医で再読影を行っています。協同ふじさきクリニック(川崎市川崎区)の安西医師と御成門内科クリニック(東京都港区)の渡邊医師です。再読影で受診の指示があった方には専門医の受診を勧めています。気になる症状がある場合は建設国保保健師までお気軽にご相談ください。

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