一人親方に対する責任、建材メーカー3社に賠償責任認める
「全員勝利」の旗が掲げられ、裁判所前で大きな歓声が上がりました。
8月28日、建設アスベスト神奈川2陣訴訟で東京高裁は、国とアスベスト建材メーカーの責任を認め、一人親方等を含む原告44人(被害者単位)全員を救済する画期的判決を言い渡しました。
この判決で国に対して13連勝、建材メーカーにも高裁で5度目の勝利を重ねました。年度内にも見込まれる神奈川1陣訴訟の最高裁判決、さらには全面解決に向けて大きな弾みとなりました。
判決は、国の責任について、防じんマスクの使用及び警告表示(掲示)の内容に関する規制権限不行使の違法性を認め、さらに一人親方・零細事業主も安衛法の保護範囲に含まれるとして、労働者と同様に国の責任を認め救済しました。
一人親方を救済する判決は、各地の高裁判決で5度連続となり、一人親方等のアスベスト被害についても国に責任があったことはもはや疑いのないものとなりました。
建材メーカーについては、警告義務違反を認め、販売シェアが概ね20%以上と認められるニチアス、エーアンドエーマテリアル、ノザワに賠償責任を認めました。さらに警告義務違反は解体・改修作業にもおよぶとしたこと、間接曝露についても実質的に責任を認められたことから建材メーカーに対してほぼ全員の原告が勝利しました。
9月4日には、東京2陣・東京地裁で、一人親方等を救済し国の責任を認める原告14連勝、建材メーカーの責任を認める全面勝利判決が示されました。
最高裁第1小法廷に係属している神奈川1陣訴訟は10月22日に口頭弁論が開かれます。年明けには同じ第1小法廷に継続してる東京1陣など4つの訴訟の統一判断が示されると伝えられています。
受理された上告理由からは、一人親方の救済と建材メーカーの賠償責任が認められる可能性が高まっています。国と建材メーカーに建設石綿被害者補償基金制度創設を柱にした全面解決を決断させる重要な局面です。