7月8日、神奈川2陣の控訴審第2回口頭弁論期日が東京高裁で開かれました。原告側の小笠原さん(電工・神奈川土建)、川口さん(エレベーター工・神奈川土建)、被告側の証人の尋問が行なわれ審理が進みました。24日には、最高裁への署名を届け、要請を行ないました。
小笠原さんは約70年電工としての経験から一般的な鉄骨造の建物での作業実態とそこでのアスベスト粉じんの曝露について証言を行ない「アスベストが危険などということは何も知らされないまま、マスクも付けないまま作業をしていた。作業が終われば体中真っ白で大量の粉じんに曝露していた。まわりの作業員も同じでした」と証言しました。被告側からの反対尋問にも適確に回答をしました。
川口さんは、エレベーター工として現場に従事し、新設工事や保守作業では「シャフト内を移動するときには吹付材がある鉄骨に体が接触し、作業中は粉じんが舞い上がる状況でした。同じエレベーター工で防じんマスクを付けた人は見たことがありません」とアスベスト曝露の実態を証言し「国は救済制度の創設にすぐに動いてほしい。建材メーカーはつぐなってほしい」と訴えました。
被告側の証人2人の尋問がつづき、原告弁護士から反対尋問を行ないました。
結審見すえ重要な局面に
9月12日の期日には、 原告側が一人親方に関する国の責任の関係で証人として求めた、岩手県立大学講師の柴田鉄平氏の出廷が認められ、原告の柴田さん、望月さん、中山さんとあわせ4人の証人への尋問で審理がすすめられます。次回期日後に結審時期(12月か来年1月)が決められる状況もあり、重要な局面をむかえています。
参加者の声「 責任から 逃れられない 」
現場の管理で鉄骨の作業の検査に従事したこともあります。マスクをしないで首にタオルを巻いて進行具合のチェックなども。建材メーカーは責任逃れできないと思います。原告や被害者は、できるだけ治療して長生きし、元気なうちに解決してほしいと思いました。
最高裁に署名届け、 累計18万筆に
7月24日、「建設アスベスト訴訟で原告全員を救済する判決を」と、全国から寄せられた署名を最高裁に届け、累計17万8900筆に。公正な判決を要請しました。