建設アスベスト東京1陣訴訟は、2021年5月の最高裁判決を受け東京高裁に差し戻しされていました。2024年12月26日、裁判長から救済基準を示した和解案が提示されました。
和解案提案にあたって裁判長から「被災者の多数がお亡くなりになっており、本和解案は早期全面解決を願って提案したものである。差し戻しされた東京高裁における和解案であるということを踏まえて建材メーカーらも早期解決に向けて努力されるよう要望する」旨の発言がありました。
和解案は、建材メーカーらの共同不法行為責任を認め、建材メーカーの製造したアスベスト建材が到達したと認められる被災者に対して和解金を支払うというこれまで積み上げてきた原告勝利判決を踏まえ、基本的な判断基準として、①おおむねシェア10%以上の建材が現場に到達した、②被害に対する建材メーカーの寄与度(責任割合)を45~50%程度、③基準慰謝料額は建設アスベスト給付金と同一額、と認めたことが特徴です。
一方、解体工等は2022年最高裁判決で原告敗訴とされていることを踏まえ和解対象とせず、判決が言い渡される予定です。
建材メーカーは和解を早期に決断しろ
建設アスベスト訴訟は提訴から17年を迎えます。最高裁判決、東京高裁の和解案を真摯に受け止め、被害者への謝罪と賠償を決断すべきです。
神建連、首都圏統一本部は、早期解決を求めて建材メーカー等への要請行動に取り組み、建材メーカーに決断を迫る世論を大きく広げるため地域での宣伝行動を大きく展開していきます。
全面解決には、裁判せずに被害者への補償を実現することが必要です。和解を勝ち取るたたかいを大きく前進させると同時に、国の建設アスベスト給付金制度を改正し、建材メーカーから応分の拠出をもとめ被害に見合う補償を実現することをめざしていきます。