神建連は9月4日、ワークピア横浜で神奈川県との交渉を行いました。
第三次担い手3法が成立し、自然災害が多発するなか、地域の建設業者が重要であることがより一層明らかになっています。しかし、県の回答は私たちの切実な要望に対し、後ろ向きなものが多く、運動を一層強めていく必要があります。
交渉の概要
【賃金分野】
▼県として第三次担い手3法に関する取り組みは、国の説明を受けて対応するにとどまり、現段階で県として著しく低い労務費や短い工期、原価割れ契約禁止などの対策を検討していないことが明らかになりました。第三次担い手3法の実効性を確保させるには許可官庁の神奈川県の取り組みが必要です。引き続き交渉が必要です。
▼公契約条例は、後ろ向きの姿勢で協議会報告書の取り上げ、公契約条例制定を検討しない回答に終始しました。
▼唯一、公共工事現場における快適トイレ設置は、次年度に向けて、前向きにとらえて検討していく回答を得られました。
【住宅対策分野】
▼リフォーム助成制度について、全建総連工務店アンケートを参考に地域事業者が疲弊している現状、担い手不足による能登半島地震の復興の遅れを指摘し、地域事業者を支援・育成することの意義、地域経済の活性化を促すリフォーム助成制度の創設を求めましたが、市町村が主体的に取り組んでいるとして助成制度を創設する考えはないと回答。かさねて全自治体へ助成制度創設を促すことと、助成制度が点検商法被害の抑制につながる可能性あることを訴え検討を求めました。
▼改正建築物省エネ法・建築基準法について、手続きなど混乱が生じないよう、情報発信に努めるとともに相談窓口の設置など準備すると回答されました。
▼住宅の耐震化の課題では、補助金要件の緩和・拡充を求めましたが、国の動向を踏まえて検討するとの回答にとどまりました。避難所の再点検・充実化について、能登半島地震を踏まえ、市町村が担う避難対策をするために、携帯トイレや簡易ベッドなどの備蓄の強化を進めていると回答がありました。
▼建設職人の担い手確保・育成がより一層重要な課題になる、そういった視点を踏まえて住宅施策を検討するよう要望しました。
【建設国保・社会保障】
▼建設国保の健診受診率が、今年も県内トップの実績であることを示し、あらためて補助単価引き上げについての県の見解を問いました。また、神奈川県は健診受診率が全国最下位となっており、これを改善しない限り、国に対する要望も説得力が得られないことを指摘しました。県として実効性がある取り組みを考える必要があることを強調しました。県としての回答は、補助単価は、国の同一の単価であり、今の補助制度の中でそこから踏み出すことが難しい状況、と従来通りの回答を超えるものではありませんでした。
▼マイナ保険証については、交渉の前日の神奈川新聞1面「国民の8割が保険証を残して欲しい」としている記事を紹介し、あらためて国に対して保険証を残すことを要望することを伝えました。
▼12月2日に現行の保険証が使えなくなるという誤解が広がっていることに対し、県として正しい情報発信をすべきと要望しました。県は、保険証廃止はすでに法改正で決まっているのでそれに従っていくとの姿勢を崩しませんでしたが、マイナ保険証が任意である以上、マイナ保険証でないと受診できないかのような取り扱いは正しくないとの見解を示しました。
【アスベスト問題】
▼アスベストの解体改修への補助金については、国交省との年1回の意見交換の場や全国知事会を通じて国へ要望しているが難しい状況との回答にとどまりました。
▼芦名の最終処分場については令和10年度の埋め立て終了を予定し、その後は決まっていない。今後検討していくと回答。交渉団は国にも働きかけて新たな処分場建設や補助制度創設などをあらためて求めました。
【職業訓練校】
▼職業訓練校への補助金の確保については、現行水準の確保に努力すると担当者から発言があり、国の算定基準についても引き上げを国に求めていくと回答がありました。一方、災害時など、必要となる技能者の育成については、県独自の施策は無く、消極的な回答でした。
【税金関係】
▼県としては新たな税金は検討していないと回答があり、マイナンバーカードの利活用を進めていることに危機感を感じ、拙速であることを国へ要望等を出していきたい、と担当者から発言がありました。地方消費税は税収の1位になっている貴重な財源ということから、消費税の在り方については認識を変えませんでしたが、県民の営業とくらしを守るための県政を求めました。