健康診断で血糖値が高めといわれたことはありませんか。今回は血糖値のお話です。
健康な人の血糖値は、体温と同じようにほぼ一定で、食後すぐに血糖値はゆるやかに上昇しますが、膵臓から「インスリン」が分泌されて血糖が細胞に取り込まれ、徐々に下降して2時間ほどで元の値に戻ります。
インスリン量が減ったり働きが悪くなり、血糖をうまく細胞内へ取り込めず、血糖値が高い状態が続くと、自覚症状なしに糖尿病や血管の動脈硬化が進行します。自覚症状がないため、毎年の健診で血糖値の変化を早期に発見し、生活習慣の改善や治療をすることがとても重要になります。血糖値のコントロールには糖質の摂取量と運動習慣が関係しますが、それ以外にも様々な生活習慣が関与しています。
食べ方や飲酒方法と血糖値の関係
その中で気になるのがまず食べ方です。野菜や海藻類などの食物繊維を最初に食べると、消化吸収に時間がかかり、糖の吸収が緩やかになります。よく噛むと血糖値を下げるインスリンの分泌が上昇します。特に朝食をよく噛んで食べると、食後の糖代謝改善に効果があることもわかっています。
次にお酒との関係ですが、アルコールは肝臓の働きを抑えるので、血糖値が下がっても肝臓からブドウ糖が放出されず低血糖になりやすくなります。飲酒後にごはんや麺類を食べたくなるのはこのためですが、そこで食欲が刺激され炭水化物を摂りすぎてしまうと血糖値の急上昇を招いてしまいます。
一方で、全く炭水化物を摂らないでいると、肝臓のエネルギー源が不足してアルコールの処理能力が落ち、胃もたれや二日酔いが起こりやすくなります。お酒は軽くおつまみをとりながら、ほどほどがおすすめです。