4月18・19日を中心に、第79回大手建設・住宅企業交渉が行われました。神奈川県連からも仲間が参加、5つの企業で交渉団団長を務めました。実質賃金が下がり続ける中で、元請けとしての大手企業の姿勢を質す重要な交渉となりました。
竹中工務店との交渉は、神奈川県連の荒井賃金対策部長を団長に、総勢31人が臨みました。
「元請けとして生き残るためには賃上げが必要だと考えている」。現場の賃金を巡るやり取りの中で、竹中工務店(以下、竹中)から、もはや賃上げは避けては通れないという認識が語られました。物価高騰が止まらず、人員確保がますます難しくなるなか、企業活動そのものに危機感を抱いていることをうかがわせました。
しかし、足元の賃金は、日建連が掲げる年収600万円には依然遠く及んでいません。交渉団からは「10年経っても達成できていない」「何年もこの状況が続いている」と企業としての本気度を質す発言が相次ぎました。
現場の労働者の賃上げは停滞している一方、「新入社員の初任給は月額3万円上げた」(竹中)とするなど、竹中の社員の賃金はベースアップがされています。交渉団からは、命がけで働いている現場従事者との非対称性が指摘されました。
一方、課題となっている「『一次への要請』の枠を乗り越えた、2次以下への賃上げの働きかけ」の問題では、初めて紹介される元請けとしての取り組みがありました。全ての一次業者の粗利益率等を把握して比較。明らかに利益率が高い企業や、財務リスクが高い企業を年間数十社リストアップし、「部長クラスが直接訪問し、指導を行う」というものです。
下請けまで賃金引き上げを行き渡らせるために、今後もより実効性のある形で、元請事業者として知恵と力を尽くさせていくことが重要です。