健康診断を受けた後に、中性脂肪の値が高いと指摘を受けたことがありませんか?今回は中性脂肪についてのおはなしです。ぜひ今年も健康診断の結果で、数値の変化をチェックしましょう。
中性脂肪が増えると動脈硬化のリスクに
中性脂肪は体内に最も多く存在する脂肪成分で、糖質の不足を補って体を動かすための大切なエネルギー源のひとつです。
一方で、増えすぎると動脈硬化のリスクを高め、進行すると心筋梗塞や脳梗塞などを発症します。
日本人の4~5人に1人がこれらの病気で亡くなっています。リスクを下げるには脂質異常症を早期に発見して、生活習慣の改善や治療をはじめることが大切です。
中性脂肪は食事をした後の4~6時間で食前の1~2倍に上がります。そのため、健康診断では食後10時間以上絶食をしてからの空腹時の値で判定します。150㎎/dl以上が脂質異常症の判定となります。
脂質異常症の診断基準には随時中性脂肪の値も使用されています。随時というのは、10時間以上の絶食をせずに採血して検査した値です。食後の中性脂肪値が高い場合も、心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクが高まることから基準が設けられています。この場合は175mg/dl以上が脂質異常症の判定です。
数値抑えるには
牛や豚のバラ肉、鶏の皮、加工肉など動物性脂肪を減らし、魚を増やしましょう。魚に多く含まれる不飽和脂肪酸は中性脂肪を減らし動脈硬化を防ぐ働きがあります。サンマ・ブリ・イワシなどの青魚がおすすめです。
糖と脂肪酸は中性脂肪の原料です。炭水化物の取りすぎに注意し、アルコールの代謝で脂肪酸が増えるため、飲酒量を減らしましょう。