神奈川県建設労働組合連合会

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建築労働組合の世界的組織と懇談 先進的な労働協約を実現したキプロスに学ぶ

2023年12月4日

 11月1日、建築関係の労働組合を世界的に組織する「建築インター・UITBB」との懇談会が東京土建会館で行われました。UITBBからミカリス・パパニコラウ書記長(キプロス建設労働組合書記長を兼務)が来日しました。県連からは、荒井賃対部長、仙田書記長が参加しました。

ミカリス書記長(左から4人目)を囲む懇談の参加者

 UITBBは建築木材建築資材労働組合インタナショナルとして、建設・木材関係労働者を世界的に組織しています(建築インター)。すべての大陸に組合があり、55か国から加盟、1200万人を組織しています。

 ミカリス書記長は、「同じ目標で闘う、労働者・労働組合の協力連帯が必要。建設産業は独特な特徴を持ち、困難の中で闘いを進めている。労働者の要求実現のみならず、核兵器廃絶、環境問題など労働者全体にかかわる課題についても闘っている」とのべました。

 「ヒロシマ・ナガサキの原爆投下を経験した日本の仲間とともに核兵器廃絶を共有したい」とも語り、「大国の核兵器使用の危機があり、ロシア、イスラエルの動きをけん制している」と言います。

日々改善されるキプロスの労働協約

 キプロスの建設産業の特徴と建設労働組合の役割を聞いたところ、キプロスの建設産業も重層下請のプラミッド構造で大手企業と中小企業が存在しているといいます。

 こうした中、①全国協約(労働協約)を締結しており、日々改善を図っている、②建設現場のプロジェクトごとにも協定を結んでいる、③協定の内容は下請けまでカバーしている、④労賃の下限設定がされている、⑤協定は使用者団体と労働組合で結んでいる。これを政府が認証している、⑥職種ごとに協約が定められている、など教訓的な特徴が話されました。

 キプロスの建設労働組合は、職別の全国組織の縦の組織と、地域別の横の組織にそれぞれ組合員が所属してそれぞれの活動を展開しています。職種別懇談会、要求賃金を決定し各種交渉を展開している神奈川県連にとっては、大変教訓的な組織体制と言えます。

 建設労働組合の国際連帯をさらに広げ、それぞれの国の闘いを学びあう必要性を痛感しました。

キプロス共和国

 地中海東部に位置するキプロス島の大部分を占める共和制国家。首都はニコシア。人口124万人。面積は四国の約半分。1974年のトルコ軍軍事侵攻以降、南部のキプロス共和国と北部のトルコ系が事実上支配する「北キプロス・トルコ共和国」とに分断されている。

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