組合は11月10日を中心に、県内企業交渉を実施。神奈川県建設業協会の中心となる県内ゼネコン12社が応じました。
主に次の6項目について懇談を行いました。
- 資材・物価高騰に関する対策(発注者との協議状況、下請業者との発注単価見直しや契約変更協議など)
- 現場の安全・衛生対策(八重洲事故など重大災害が起きている。労働災害防止対策について)
- 発注者との工期設定
- 週休二日・働き方改革(2024年問題)に関する取り組み
- 建設技能労働者の確保、 処遇改善の状況や現在の受注環境
- CCUSの推進、下請等の登録状況 懇談は将来の労働協約実現に向け、企業の考えを聞き出し、共通課題を模索しながら、担い手確保・処遇改善をめざすことが目的です。
懇談のようす
三木組
▼4週8休はまだ取り入れられていない。10月以前は4週5休で土曜日は1日閉所にする形で基本工程を書いていた。10月からは4週6休で提出している。それで通るときと通らない時がある。
施主が二社の工程表を見た時、よほどの差がない限り、工期が短い方に決めてしまう。2024年に向け残業チェックを入れている。現場員も分かってはいるが、減ってこない。一斉にやらなければ効果はあらわれないと思う。2024年問題があるので、発注者にはより一層の適正工期を理解してもらいたい。
馬淵建設
▼資材高騰分は、民間工事では発注者へ交渉している。貰わないと赤字になる。公共工事では、横浜市は「スライド条項」を認めているが、東京都はダメ。都の仕事はしないようにしている。
▼下請に「労務費下げろ」とは言えない。協力業者60社で作る「むつみ会」で、副社長と30社ほど回り関係強化をしている。
▼八重洲の事故を受け、10月を労働安全強化月間とした。一人一人の作業手順書の理解が大事。外国人が多いため、4カ国語に翻訳している。
▼全現場にCCUSカードリーダーを設置しているが、カード取得は増えていない。制度にハッキリとした魅力を感じない。
小俣建設
▼女性の現場監督が増えており、工期などを考慮しつつ女性用トイレを設置している。会長、社長の強い意向で「快適トイレ」を設置した現場も。横浜市へ補助金申請した。
▼どこの協力会社も人材確保に苦労しているが、比較的従業員が定着している事業所は、月給制に変えている。
▼後藤部長から長谷工が賃金単価を大幅アップし、「長谷工バブル」がおきている話題を振ると、職人の単価が上がり、良い仕事につながることは歓迎だが、業界全体で人が増えなければ根本解決にならない。労働組合と協力できることがあれば一緒にやっていきたいと取締役執行役員から発言されるなど、和やかな雰囲気での懇談となった。