建設アスベスト訴訟の闘いは昨年、いまだに全面解決を決断しない建材メーカーに対し、、あらたに建材メーカー訴訟(4陣訴訟)を全国一斉に提訴するなど取り組みを進めてきました。2023年を建材メーカーを含む全面解決を勝ち取る山場にして運動を強めていきましょう。
1陣結審で「和解勧告」
神奈川1陣訴訟は、最高裁判決で原告22人について、建材メーカーの責任を前提に東京高裁に差戻しとなって審議が進められてきました。
11月22日、第4回目の口頭弁論が開かれ、原告・弁護団から最終の意見陳述をして結審しました。
結審にあたって裁判長は、判決は5月19日10時30分としたうえで、「この裁判は和解による解決が望ましい」として双方に和解を勧告。年明けに和解協議を行うことを明らかにし、被告企業に真摯に検討するよう求めました。
原告2人が意見陳述
原告の意見陳述では、平田団長が出廷できる体調ではないことから事前に録画したビデオを法廷で上映するとともに、早期解決を求める意見を弁護士が代読しました。
昨年の最高裁判決後に亡くなられた大野さんの息子、信一さんが遺族の無念の思いを語り、建材メーカーが早期に責任を果たすことを求めました。
弁護団は最高裁で示された判断をもとに判決で建材メーカーを断罪するとともに、裁判所主導の早期解決を求めました。
「和解勧告」を力に 企業に解決迫る運動へ
建材メーカーは争いを続ける姿勢を崩していません。裁判所の「和解勧告」に従わない姿勢は許されないという大きな世論をつくり建材メーカーを追い詰める取り組みをすすめます。
東京1陣差戻審も来春の結審を見込んで審理が進んでいます。関西では京都2陣、大阪2陣がそれぞれ大阪地裁で結審し、判決は京都2陣が3月23日、大阪2陣は追って指定されます。
この機に、最高裁から差し戻された2つの裁判が力をあわせて解決に向けてたたかいぬくこと、関西の2つの判決で建材メーカーを断罪する判決を勝ち取り世論に訴えることで早期の解決をめざします。
後継者のためにも補償制度をつくりたい(第4陣原告)
内装の仕事で当時たくさんのアスベスト建材を扱ってきましたが、どれだけ危険かわからずにやってきました。建材企業がしっかりと知らせていればもっと被害は軽くすんだはずです。
アスベストは肺に入ってしまえば出てきません。アスベスト訴訟の闘いは、後継者を救うため。つまりしっかりとした補償制度ができるよう努力していきたいと思います。