木造応急仮設住宅に大きな期待
東日本大震災以来、組合が取り組んできた木造での応急仮設住宅建設。その後の災害でも多くの木造仮設を供給し、その信頼をゆるぎないものとしています。
8月20日から22日の期間、横浜市役所アトリウムで木造応急仮設住宅の実モデルを建設し、広く市民に触れてもらう展示会を開催しました。
建設したのは9坪タイプの住宅です。キッチン、ユニットバス、洗面所、トイレに加え、4・5畳の居室が2部屋の間取りです。構造材などの木材には丹沢産のスギ・ヒノキを使用しています。
住宅の性能を知ってもらうため、断熱材や防水シートが見えるように施工。杉板による外壁も貼りました。
横浜市役所新庁舎のアトリウムは、吹き抜けの大空間で、市民が自由に行き来し、多くの人の目に触れる場所です。
目にした市民の多くが「これが仮設住宅なの?」と驚いていました。神奈川県や横浜市の議員や職員も多く訪れ、熱心に質問するなど、木造の仮設住宅の意義を感じ取っていました。
仮設住宅の建設は神建連と、工務店の団体である神奈川県木造住宅協会で構成する「全木協神奈川県協会」が担います。全木協は神奈川県と横浜、川崎、相模原の政令3市と木造応急仮設建設の協定を結んでいます。
今回横浜市役所という公共の場でこのような展示会を開催できたのは画期的です。
仲間が被災地で多くの仮設住宅建設に携わってきたことや、これまで築いてきた行政との連携、毎年の建設訓練などを通じ、全木協に対する信頼を確かなものにしてきた成果です。
マイ箸づくりに300人 木の魅力伝える
展示会に合わせ、県産木材を使った「マイ箸づくり」も開催しました。親子連れなどが多く参加し、およそ300人が箸づくりを楽しみました。
親子で参加した横浜市南区の中須さんご家族。夢中で取り組んでいたお子さんは「楽しかった。(木が)レモンみたいなにおいがする」と木との触れ合いを楽しんでいました。お母さんは「匂いもいいし癒される。子どもはカンナなどはじめてさわって、いい体験になった」と話しました。
組合から9人の大工の仲間が指導に当たりました。川崎建築の福田さんは「小さい子からお年寄りまで多くの人に楽しんでもらえてよかった」と、途切れることのないほどの忙しさでしたが、充実感をにじませました。