神奈川県建設労働組合連合会

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建設アスベスト訴訟 神奈川1陣・3陣で国と和解、神奈川2陣は建材メーカーの上告不受理で勝利確定、全面解決めざし建材メーカーとのたたかい山場

2022年3月2日

神奈川2陣「最高裁で建材企業に勝利確定」

 2020年8月に東京高裁で勝利し、最高裁に上告されていた神奈川2陣訴訟。2月9日、最高裁が建材メーカー3社(ニチアス、エーアンドエーマテリアル、ノザワ)の上告を不受理とし、原告44人中38人について勝利が確定しました。残る4人は解体作業における建材メーカーの責任について、3月28日に弁論を開き、その後判決となります。2人は高裁での敗訴が確定しました。

 今回の決定は、建材メーカーの責任割合を高い水準で認めた東京高裁判決を最高裁で確定したことに大きな意味があります。

 記者会見で2陣原告団長の望月さんは「建材メーカーは私たちの前で謝罪してほしい」、鍵山知栄さんは「建材メーカーは全面解決を決断してほしい」と訴えました。

賠償責任を負う建材メーカーに広がり

 同じ日に、九州1陣訴訟についても最高裁は建材メーカーの上告を不受理とする決定を出し、原告勝利の福岡高裁判決が確定しました。九州1陣訴訟の決定は、外装材メーカーの賠償責任を認める内容で、賠償責任を負う建材メーカーが広がりました。

 これらの最高裁決定は、私たちの求める完全な補償基金制度の確立(建材メーカーが国の賠償給付金制度に拠出する形での解決)に大きな後押しとなります。国との関係では、2陣原告全員が最高裁での和解が予定されています。

神奈川1陣「差戻審で国と和解」

 神奈川1陣訴訟は昨年5月の最高裁判決で20人が勝訴確定し、50人が勝利を前提に東京高裁に差戻されていました(4人は敗訴)。

神奈川1陣 東京高裁での差戻審で国との和解が成立

 1月28日、高裁で開かれた差戻審で34人の和解が成立しました。残る16人は次回3月25日に和解が成立する見込みです。

 一方、建材メーカーとの関係では22人が差戻しに。2月10日、東京高裁で第1回目の差戻審が開かれました。企業は最高裁判決で確定した争点を再度主張し裁判の引き延ばしともとれる姿勢を示しています。次回口頭弁論期日は5月16日14時に開かれます。

神奈川3陣「横浜地裁で国と和解」

 3陣訴訟は1月26日、横浜地裁で29人中16人について、国との和解が成立しました。残る原告の多くも和解が成立する見込みです。

神奈川3陣 横浜地裁で国との和解が成立

 今後は建材メーカーの責任範囲や屋外作業者の救済などを争点にすすみます。次回以降の口頭弁論期日は3月9日、5月30日、7月4日、8月1日、9月14日、いずれも 10:30開廷で、7月以降は原告の証人尋問が予定されています。

「建材メーカーは責任果たせ」あらたな署名と世論、各地でひろげよう

 神建連は全国の仲間とともに、国との関係で残された課題(①屋外作業の救済、②救済される従事期間の拡大、③20年の時効)の解決と、建材メーカーに賠償責任を果たさせるため、賠償給付金法を改正し、救済範囲の拡大と建材メーカーの費用負担を求める国会請願署名に取り組みます。

 毎月17日(またはその前後)には全県一斉宣伝を提起しています。「建材メーカーは責任を果たせ」の世論を広げるため、各組合・支部で行動に取りくんでいきましょう。

東神奈川駅頭での宣伝行動 多くの方が署名に応じてくれる

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